インフルエンザパンデミック対策
個人でできる対策

1 新型インフルエンザとは

○新型インフルエンザウイルスとは、動物、特に鳥類のインフルエンザウイルスがヒトに感染し、ヒトからヒトへと効率よく感染できるように変化したもので、このウイルスが感染して起こる疾患が新型インフルエンザです。
○このような例の一つとしてスペイン風邪(スペイン・インフルエンザ)(1918年-1919年)があります。世界では人口の25〜30%が罹患し、4000万人が死亡したと推計されており、日本では2300万人が感染し、39万人が死亡したと記録されています。その記録から、大流行が起こると多くの人が感染し、医療機関は患者であふれかえり、国民生活や社会機能の維持に必要な人材の確保が困難になるなど、様々な問題が生じることが考えられています。

2 新型インフルエンザ発生前に準備すべきこと

(1)うがい・手洗い・マスクの励行
新型インフルエンザに対する対策は通常のインフルエンザ対策の延長線上にあります。熱、咳、くしゃみ等の症状のある人には必ずマスクを着けてもらうこと、このような人と接する時にはマスクを着けることが大変重要です。咳やくしゃみをおさえた手、鼻をかんだ手は直ちに洗うことも必要です。これらが、インフルエンザ予防のために必要な「咳エチケット」です。外出後の手洗いを日常的に行い、流行地への渡航、人混みや繁華街への外出を控えることも重要です。
「咳エチケット」
*咳・くしゃみの際はティッシュなどで口と鼻を押さえ、他の人から顔をそむけ1m以上離れる。
*呼吸器系分泌物(鼻汁・痰など)を含んだティッシュをすぐに蓋付きの廃棄物箱に捨てられる環境を整える。
*咳をしている人にマスクの着用を促す。 マスクはより透過性の低いもの、例えば、医療現場にて使用される「サージカルマスク」が望ましいですが、通常の市販マスクでも咳をしている人のウイルスの拡散をある程度は防ぐ効果があると考えられています。
一方、健常人がマスクを着用しているからといって、ウイルスの吸入を完全に予防できるわけではないことに注意が必要です。
*マスクの装着は説明書をよく読んで、正しく着用する。
☆マスクの廃棄方法
使用済みのマスクの廃棄方法としては、表面に触れないようにビニール袋に入れて口を閉じて廃棄する。もしくは、蓋のついたゴミ箱に入れて廃棄する等の方法で廃棄する。マスクを廃棄した後には、手指にウイルスがついている可能性もあるのですぐに手洗いや消毒用アルコール製剤による消毒を行う。
(2)食料・水・日用品の確保・備蓄
パンデミックは日本だけのものではなく、海外でも同時に発生しますので、海外で大流行すれば、輸入が減少したり停止することによって、種々の生活必需品も不足して、手に入らなくなることがあります。
パンデミックになると、このような生活に欠かせない活動にも影響が出ることも想定されますし、感染を防ぐためには不要不急の外出をしないことが原則であることから、災害時と同様に外出しなくても良いだけの最低限(2週間程度)の食糧・日用品等は準備しておくのがよいでしょう。
(3)発熱時の対応の相談
本人、家族が感染し、一定期間の自宅待機になった場合、こどもの学校が長期に休みになった場合、また勤務状況の変更が余儀なくされた場合などで、どのように家庭内で役割を分担し家庭を維持していくか、などについて、各家庭で計画を立てておくことが勧められます。また、突然仕事を休まねばならなくなった時の連絡についても勤務先と相談しておくべきでしょう。

3 新型インフルエンザ発生後に取るべき対応

(1)情報収集
情報には、(1)国・地方自治体の提供する情報、(2)企業が提供する情報(商業ベースのものとそうでないものがある)、(3)マスコミが提供する情報、(4)噂・デマ情報などがあり、媒体も広報・新聞・雑誌・テレビ・インターネットなど様々です。
しかし、中には情報の信憑性・根拠に関して問題のあるものもあり、特に噂情報には虚偽のものが含まれることが多く、こうした情報を過度に信用してパニックが起こらないように正確な情報を収集し、冷静に対応することが重要です。
(2)発症者の家庭における留意事項
発熱・咳・全身痛など通常のインフルエンザと思われる症状がある場合、事前連絡なく近医を受診すると、万が一新型インフルエンザであった場合、待合室等で他の患者さんに感染させてしまう「二次感染」のおそれがあります。その場合はまず、保健所等(発熱相談センター)に連絡し、都道府県等が指定する医療機関など(発熱外来など)を受診して下さい。都道府県や、市町村、保健所から、情報が提供されますので、随時チェックをするようにしてください。
*発熱相談センター:
発熱を有する患者さんからの相談を受ける施設。都道府県・保健所を設置する市又は特別区が保健所等に設置する。
*発熱外来:
発熱を訴える患者さんに対し、直接通常の外来を受診するのではなく、他の症状の患者さんから隔離した場所で外来診察を行うシステム。新型インフルエンザ感染・発症を否定されれば通常の外来での診察になり、新型インフルエンザであれば感染症指定医療機関等に入院措置等が取られる。
特に自分自身が発熱・咳・のどの痛みなどの「かぜ症状」を呈した場合には、その症状が新型か否かにかかわらず、インフルエンザによるものか否か、またインフルエンザであってもどの型であるかは、検査をしなければ分かりません。したがって、上に挙げたような医療機関を受診する必要がありますが、医療機関を受診するときはもちろん、外出時、家庭内でも、咳をする際には「咳エチケット」に十分注意をして、周囲に感染させないように心がけることも必要となります。
(3)医療の確保への協力
パンデミック時には一時的に大量の医療に対する需要が起こるため、医師を始めとする医療従事者や薬剤・医療資材の供給体制等、医療を支えるインフラが極端に脆弱になることが予想されます。
また、パンデミック時であっても、生命に関わる救急の患者さんや人工透析などの継続的な治療が必要な患者さんもおられます。
したがって、不要不急の医療機関受診や軽症での救急車要請は控えて、通常の医療の確保に協力することが重要です。
(4)不要不急の外出の差し控え
感染拡大を極力回避するために、食料等の生活必需品の買出しや独居家庭への見回りなどのやむをえない外出以外の不要不急の外出は極力差し控えることが望まれます。(地域によって事情が異なることが多いため、市町村が主導となり、各コミュニティ等で自主的に決定する)
個人での備蓄物品の例
○食糧(長期保存可能なもの)の例
主食類
米 乾麺類(そば、ソーメン、うどん等) 切り餅 コーンフレーク・シリアル類 乾パン 各種調味料
その他
レトルト・フリーズドライ食品 冷凍食品(家庭での保存温度ならびに停電に注意) インスタントラーメン 缶詰
菓子類 ミネラルウォーター ペットボトルや缶入りの飲料
○日用品・医療品の例
常備品
常備薬(胃薬、痛み止め、その他持病の処方薬) 絆創膏(大・小) ガーゼ・コットン(滅菌のものとそうでないもの) 解熱鎮痛剤(アセトアミノフェンなど) 薬の成分によっては、インフルエンザ脳症を助長する可能性があります。購入時に医師・薬剤師に確認してください。
対インフルエンザ対策の物品
マスク ゴム手袋(破れにくいもの) 水枕・氷枕(頭や腋下の冷却用) 漂白剤(次亜塩素酸:消毒効果がある) 消毒用アルコール
通常の災害時のための物品(あると便利なもの)
懐中電灯 乾電池 携帯電話充電キット ラジオ・携帯テレビ カセットコンロ・ガスボンベ トイレットペーパー ティッシュペーパー キッチン用ラップ アルミホイル 洗剤(衣類・食器等)・石けん シャンプー・リンス 保湿ティッシュ(アルコールのあるものとないもの) 生理用品(女性用) ビニール袋(汚染されたごみの密封に利用)

厚生労働省ホームページより抜粋
 
 
 
 
 
 
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